Kikroing on the Tree

日記とポートフォリオ

HASSELBLAD C12マガジンについて

ハッセルブラッドはお約束事の多いカメラメーカーとして知られている。またそのお約束事にも諸説があるというのが、いかにも趣味の界隈という雰囲気があって趣深い。

f:id:kikorin12345:20220624121505j:image

今回、題名にもある通り、特に型式C12のフィルムマガジンについて注目したい。というのも、つい先日、SWCを購入したのだが、それに付属していたマガジンがC12であり、A12マガジンを使用してきた私には、その操作方法が分からず、面を食らったからである。A12とC12の外観こそ大きな違いはないが、操作方法が違うので今回、まとめておきたいと思った次第である。

 

 C12とA12

 C12マガジンは500C時代のマガジンであり、A12マガジンは500C/Mが登場してからのマガジンという認識でいる。とりあえず、C12の方が古い。そしてC12の方が造りがかなり良い。この1960年から1970年台の造りの変化というか劣化みたいなものは、時代の流れを感じざるをえない。製品の質が時代をここまで反映するんだなと。

白がC12で黒がA12

SWCを購入したことで、図らずも黒と白のハッセルマガジンが揃った。マガジン脱着ボタンの「Vシステム」か「ビクターハッセルブラッド」を表す「V」の文字が輝かしい。

 

比較してみた

背面から

ちょっと違うけど、基本的なことは同じ。

右面

巻き上げノブの形状が違う。C12は銀色のノブを立ち上げて巻きあげを行うが、A12はレバーによって巻き上げを行う。このレバーでクリクリと素早く巻き上げをすることが可能になっている。

フィルムカウンターに注目してほしい。フィルムを装填する際に、C12は、やや特殊な操作が必要となる。A12はフィルムを装填し、フィルムカウンターが0になると自動的にレバーが固定されることでフィルムの巻き上げが終わる。一方で、C12については後述するロールフィルムに印字されている数字を通し窓で目視しながら、ノブを回し、「1」が見えたタイミングでフィルムのローディングを止める。そして、そのノブを反対方向(反時計回り)に捻ってあげると、「コトン」と調子よくフィルムカウンターが「1」にセットされる(写真右)。

この「1」だしが、ハッセルブラッドらしい御作法ではないだろうか。原始的だが、この操作を抜かしてしまうと、写真が撮れない。いかにもハッセルっぽい。

ちなみに右面にあったフィルムカウンターの右にある白くなっている窓は、ボディ側と合体させるときのギア噛み合いマーク。

マガジン:白→←白:ボディ

もしくは、

マガジン:赤→←赤:ボディ

でギアが噛み合い、写真が撮れる。赤白になっていると、多重露光になったり未露光になったり、最悪、壊れる。This is HASSEL.

左面

こちらは、基本的に同じ。A12の赤くなっているのは、フィルムが装填されていませんよというマーク。確か。これ意外と知られていない機能。ちなみにC12は背面の窓から直接フィルムの装填を確認できる。

通し窓

C12の背面にあるのが、この通し窓。ここでフィルムを直接確認して、フィルムの「1」だしをする。ここが、A12との大きな違い。

マガジンの中

この通し窓が二眼レフカメラにある赤窓じゃなかった点にびっくりした。ぴちっと巻かれるから感光しちゃうことはないのだろうけど、お、直で見れるんかい。となる。

古いロゴかっこいい

マガジンがどこに輸出されて、誰が使ったのか。あああ、ロマンがあるよ。にしても右のロゴかっこいい。

 

今回は、マガジンの細かいところをみてきた。

同じものを何個も収集している人って何が楽しいんだろう。と思っていたこともあったが、こういうのを知っていくのが楽しいんやね。