Kikroing on the Tree

日記とポートフォリオ

街から人が消えた3年前のあの頃

人の気配がなくなった道路は、不思議と視線を多く感じるものだった。異様に静まった街並みは、夜よりも昼間の方が異様さを強調させていた。外出が制限されるという戦中のような環境で、私たちは何を考えていたのだろう。

ジョージ・オーウェルが「1984」で描いたディストピアが現実に起きていたのだ。私は、あの時に高揚感を抱いてた気がする。ちょうど少年が雷雨に心躍らせるように。

今後カタストロフィが起き、世界の秩序が変動していくと確信していた。既存の社会システムが崩壊し、新たな秩序が再構築されていくSFのような世界観を思い描いていた。

常識が非常識になり、新たな価値観が導入される。先が見えない未来の不安さに、溢れるばかりの瑞々しい生命を感じていた。