Kikroing on the Tree

日記とポートフォリオ

醤油の醤油による醤油のための銀行

野田商誘銀行を訪れる

今回は、千葉県野田市へ近代産業化遺産に指定された面白い建物を見つけたので訪れてみた。「野田」と言ったら、醤油のキッコーマンだろう。これだけ世の中の食卓の上を実質支配している調味料を作る会社は、我らが千葉県を代表する企業の一つだ。

 

かつて、キッコーマン本社がある野田市(登記上)にはキッコーマン以外にも様々な醤油醸造業者が軒を連ねていたそうだ。そんな中で、キッコーマンのお偉いさん達(茂木氏・高梨氏)が筆頭となり、この銀行を設立した。その名も「野田商誘銀行」。いやいや、そこで漢字あてる?そんなダジャレの効いたふざけた銀行は、名前によらず堅実な経営を行い、あの金融恐慌も乗り越えたらしい。そして、現在では銀行業を千葉銀行に譲渡、廃業した。

 

この銀行は、醤油の仕込み高に比例して資本金を払込み設立され、主に醤油業者に対して融資を行ったそうだ。当然のことながら、仕込み高の大きい野田醤油会社、後のキッコーマン醤油が8割近い出資を行い、事実上のキッコーマン醤油銀行となっていたらしいが。

 

本社の建物は千葉銀行野田支店となった後に、キッコーマンの会計業務や不動産業務を行う千秋社のものとなっている。

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野田商誘銀行

 

キッコーマン本社周辺を歩く

キッコーマン本社周辺も散策してみた。キッコーマン本社は外から見ても働きやすいで!という感じのオシャレな建物になっていた。少し、本社の路地を中に入ってみると、キッコーマンと社名は変えたが、やはり茂木氏と高梨氏といった創業一族の力が強そうな雰囲気を感じる。

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手前が本社で奥が茂木氏邸宅、左側は研究所

 

見渡す限り一帯がキッコーマンの醤油工場となっている。厳密には、食品工場だと思うが、それにしても、これだけ広大な土地を一つの企業の工場が占めているのは少し怖いというか不気味さを感じなくもない。

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アメリカンな雰囲気の構図


今回は久しぶりに野田市を訪れた。柏市の北にあたる市なのだが、なぜか行く機会が乏しいのである。まだまだ色んなスポットがありそうだ。