思い出の土地
その土地に楽しい思い出も辛い思い出も染み込んでいる。
私は、これまで転勤族の子供というわけではないが、3つの土地に住んできた。つい最近まで住んでいた土地も、もう遠い過去の思い出に置き換わりつつある。ふと、写真を見返していると、当時なんの思い入れもなく撮った写真が、今では思い出の坩堝を倒したような写真になっている。
近所には竹林もあり、丘もありと住みやすいだけでは言い表せない街だった。この生活の余白が良かった。
公園は少なかった。お寺や神社があった。広場は近所の犬の散歩道になっていた。子供の遊び声が聞こえるわけではないが、いつかみた童謡の風景にも似ていたなと今振返ると感じる。
こうやって写真を見返すと、50mmっていう焦点距離は本当によくできてると思う。自分の思い出を振返るぐらいの写真は、やっぱり50mmで撮った写真が一番感傷にひたれる。
遠くが見渡せてる街、寒い季節。