久しぶりにライカM3を持って出かける。ここのところM10-Rを使う機会が多く、出番が少なかった。フィルムを装填して、巻き上げ、シャッターを落とす。この一連の流れがあると、普段よりも気が引き締まる。
雪予報が出ていた奈良井宿は、人通りもまばらだった。
M10-Rに比べてM3のファインダーは、広く明るくて世界が一段綺麗に見える。
Summicronだけに限った話ではないが、順光すぎるとカリッカリの描写になってしまい(嬉しいことだが)何だかもったいない。一方で逆光になると気を使う。レンズの個性に合わせて写真を撮ることに昔はよく戸惑ったが、最近ではこのうまくいかない制約がむしろ趣味の奥行きを広げてくれていると考えるようになった。
小型カメラとしてバンバン気軽に撮っていく。最近になってライカが小型カメラの先駆者であった所以がわかってきたような。大判はどうしても持ちだしにくい。
場所は変わって妻籠宿へ。
こちらは奈良井宿に比べてこじんまりとした宿場町。
モノクロは、色味よりも濃淡や光の具合で画が決まってくる。カラー写真とはまた別の目で被写体を見ていかねばならない。こんなことを考えて、昔の人も写真を撮っていたのだろうか。